2021.11.10更新

毎年開催されている、愛知県産婦人科医会主催の『MCMC母と子のメンタルヘルス研修会』に今年も参加させていただきました。

『MCMC(Mental Health Care for Mother & Child)  』は、日本産婦人科医会がおこなっている妊産婦のメンタルヘルスを守るための活動で、妊産婦に携わるすべての医療・行政スタッフが妊産婦のメンタルヘルスの基本的な知識や対応を学びました。

妊娠・出産は、妊産婦の身体面だけでなく精神面にもさまざまな影響を及ぼします。健やかな妊娠・出産のためには、妊産婦のメンタルヘルスへの配慮は不可欠です。

妊娠による精神状態の悪化の影響を受けるのは母親だけではありません。赤ちゃんにも悪影響を与える可能性があるため、決して軽視できる状態ではありません。妊娠中から出産後にかけて、包括的かつ継続的なフォローが必要となります。

妊産婦のメンタルヘルスを考えるには、産婦人科と精神科の両専門領域の協働が理想です。

よって、当院は診療所のため、精神疾患合併もしくは過去に精神疾患を合併されていた妊婦に関しては、安全な妊娠・分娩・産褥経過を考慮し、精神科と連携できる高次医療機関での分娩を第一に推奨させていただいています。

また、精神疾患合併妊婦(過去の精神疾患の情報も含む)に関しては、かかりつけの精神科医師からの診療情報提供書を持参していただき、当院での周産期管理が可能かを判断してからの分娩予約となります。

産後うつなどを予防するためには、周囲からの支援が不可欠です。子育ては母親1人でできるものではありません。父親をはじめとする家族はもちろん、自治体からの支援も必要です。そのためにも、当院では行政と連携しながら、産後ケア事業もおこなっています。

周産期は母子に多職種の支援者とのつながりを提供できる期間です。産婦人科医療のみならず、精神科医療とも連携して、行政も含めた多職種による包括的な支援により、安心して分娩・育児ができるのだと思います。

そして、当院では「院内助産方式」により、医師・助産師・看護師が連携をして、妊娠初期よりゆっくり時間をかけて関わらせていただくことにより、安全で快適な満足のいく出産ができるよう心がけています。

今後もメンタルヘルス及び、産婦人科医療の診断・ケアの向上につとめていきます。

貴子ウィメンズクリニック

 

投稿者: ブログ

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