性感染症について
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性感染症とは
性交渉によって感染する病気のことを、性感染症と呼んでいます。細菌やウイルスを持っている人の性器や肛門や口などに触れることで、精液、膣分泌液、血液などを介して感染しますので、妊娠を望む時以外はコンドームを使用するようにしましょう。
なお、性感染症に罹っている人は男性よりも女性が多く、年齢別では10代後半から30代前半の患者さまが特に多い傾向にあります。また、近年は性経験の低年齢化によって高校生が性感染症になることも珍しくなくなってきました。
性感染症の種類
性器クラミジア感染症
クラミジアトラコマティスという種類の細菌に感染することで発症する病気で、日本には100万人以上の感染者がいると言われています。また、女子高校生の13.1%、男子高校生の6.7%が感染していたというデータもあるくらい患者数の多い性感染症です。男女ともに自覚症状があまりないため、気付かないまま性交渉を行い、広めてしまうと考えられています。
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女性の症状
- 子宮頸管炎
- おりものが増える
- 不正出血する
- 下腹部が痛む
- 性交渉時に下腹部が痛む
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男性の症状
- 尿道炎
- 尿道から膿が出る
- 排尿時に尿道が痛む
- 尿道が痒い
- 尿道に不快感がある
- 精巣が腫れる
感染したまま放置しておくと、女性の場合は卵管炎を引き起こし、場合によっては子宮外妊娠や不妊症の原因になることもあります。もし感染していることが判明したら、必ずパートナーと同時に治療を行うようにしましょう。また、治療が完了するまでは性交渉は行わないようにしてください。
淋菌
淋菌という細菌によって起きる病気で、性交渉によって感染する確率が約30%と高いのが特徴です。クラミジアに同時感染している人は、20~30%いると言われています。また、感染者の多くはわかりやすい症状が出ない傾向にあります。
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女性の症状
- 子宮頸管炎
- おりものが増える
- 不正出血する
- 下腹部が痛む
- 性交渉時に下腹部が痛む
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男性の症状
- 尿道炎
- 尿道から膿が出る
- 排尿時に尿道が痛む
- 尿道が痒い
- 尿道に不快感がある
- 精巣が腫れる
感染したままにしておくと、卵管炎や骨盤腹膜炎になり、子宮外妊娠や不妊症を引き起こすこともあります。感染していることがわかった時は、必ずパートナーと同時に治療を受けましょう。また、2人とも治療が終わるまでは性交渉は行わないようにしましょう。
膣トリコモナス症
寄生虫の中でも小さくて見えない種類のものが性器内に入り、炎症を起こす病気です。性交渉の以外にも、下着、タオル、便器、浴場などで感染することもあります。感染者の20%〜50%は症状が出ないと言われています。
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女性の症状
- 泡状で悪臭の強いおりものが出る
- 外陰部や膣が痒い
- 外陰部や膣が痛い
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男性の症状
- 尿道炎
- 排尿時に痛む
女性は、悪化すると不妊症、早産、流産の原因となる可能性があります。飲み薬や膣錠で治療をしていきますが、治るまでは性交渉を行わないようにしましょう。
性器ヘルペス
単純ヘルペスウイルスによる病気で、ヘルペスの病変部と接触することで感染します。なお、口の周りにできるヘルペスもありますが、それとは別の病気です。性器ヘルペスでは、陰部に水泡のようなものができ、その後はただれて強い痛みが出るようになります。ウイルスを死滅させることはできないため、症状を抑える治療を行うことになります。
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女性の症状
- 排尿ができない程、強く痛む
- 水ぶくれ、潰瘍
- 発熱
- 太もものリンパ節が腫れる、痛む
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男性の症状
- 患部がヒリヒリする、むず痒くなる
- 痒みが出る
- 赤いブツブツや水ぶくれができる
- 潰瘍
- 強く痛む
- 発熱
- 太もものリンパ節が腫れる、痛む
男女ともに、初回の感染から1年以内に80%以上の確率で再発すると言われています。そのきっかけとなるのは、過労、性交渉、ストレスなどの刺激です。ただし、2回目以降は症状が軽くなり、治療期間も短くなります。コンドームの使用が望ましいですが、性器ヘルペスは太ももなどにも病変ができるため、コンドームだけでは完全な予防は難しいという特徴があります。
尖圭コンジローマ
良性型ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因の性感染症です。性器や肛門の周辺にトサカのようなイボができるため、塗り薬による治療や外科的な処置が必要となります。なお、悪性型ヒトパピローマウイルス(HPV)は子宮頸がんの原因として知られており、どちらもワクチンで予防することができます。
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女性の症状
- ニワトリのトサカのようなイボ(薄ピンク色または茶色)
- 軽く痛む
- 痒みが出る
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男性の症状
- ニワトリのトサカのようなイボ(薄ピンク色または茶色)
進行するとイボが少しずつ大きくなり、広がっていきます。電気メスでイボを切除しても完全にウイルスを除去するのは難しく、3ヶ月以内に約25%が再発すると言われています。パートナーと同時に感染していることが多いため、どちらかにのみ症状が出ていても一緒に検査・治療を受けるようにしましょう。