2018.10.11更新

2016年度までの2年間で、産後1年までに自殺した経産婦は全国で少なくとも102人いたと、厚生労働省研究班が発表した。

全国規模のこうした調査は初めて。この期間の散布の死因では、がんや心疾患などを上回り、自殺が最も多かった。

うつ

涙無意識に自傷行為・産後うつ治療中に反動「情けなくて…」

妊産婦は子育てへの不安や生活環境の変化から、精神的に不安定になりやすいとされる。

研究班は「産後うつ」などメンタルヘルスの悪化で自殺に至るケースも多いとみて、産科施設や行政の連携といった支援の重要性を指摘している。

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涙産後うつ10人に1人とも…対策・事前の知識も大事

妊産婦の死亡例に関する国の統計は、出産時の大量出血などが対象で、産後うつの悪化などメンタル面の影響による自殺は把握されていない。

研究班(代表=国立成育医療研究センター研究所の森臨太郎部長)が、国の人口動態統計をもとに、15~16年に妊娠中や産後1年未満に死亡した妊産婦357人を調べたところ、自殺は102人だった。ほかの死因は心疾患28人、脳神経疾患24人、出血23人など。

自殺した時期は妊娠中3人、出産後が92人、死産後7人。

出産後自殺した92人を分析したところ、10万人当たりの自殺者数を示す「自殺死亡率」は、無職の世帯の女性が45.3と最も高かった。国内の女性の自殺率10.0(17年)を大きく上回った。年齢別だと35歳以上の自殺率がほかの年代より高かった。初産婦は2人目出産の約2倍だった。

今回の調査方法だと離婚などで姓が変わった人らを見逃す恐れがあり、自殺者はもっと多い可能性があるという。研究班の森代表は「出産後の自殺は産後1年間を通して起きている。分娩施設や小児科、行政が連携して母親の異変の兆候を見つけ、地域で支えあうことが必要ではないか。」と話している。

涙初産婦の25%は「うつの可能性」

別の厚生労働省研究班による、東京都世田谷区の妊産婦約1300人を対象にした心の状態の調査(2014年度)では、産後2週時点で初産婦の25%は「うつの可能性がある」と判定された。出産経験がある人でも、妊娠20週から産後2週にかけて、1割弱で推移していた。

調査した国立成育医療研究センター研究所の竹原健二室長は「初産婦にとっての産後2週目は、退院して自分で子育てができるのか不安な時期。本人も家族も注意してほしい。」と話す。

産後うつを早期に発見し、治療や支援につなげるため、厚労省は17年度から自治体による産後健診への女性を始めた。産後2週と1か月に、うつ病の検査などを行う。大阪府は妊婦や子育て中の女性や家族向けに電話相談窓口を設けている。内容に応じて、精神科の受診や保健師の指導につなげる。昨年度の相談は354件。担当者は「急にイライラしたり、なぜか涙が出たりといった症状があれば、ひとりで悩まずに地域の保健所や保健センターに相談してほしい。」

日本助産師会は、都道府県支部ごとに相談に応じている。各支部の連絡先と対応時間はウエブサイトで確認できる。

※当院では産後の育児不安に対応した、産後ケア事業提携施設になっております。他院で出産した方でも利用可能です。いつでも気軽にご相談ください。

投稿者: 貴子ウィメンズクリニックBLOG

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