その生理痛…もしかすると月経困難症かも。。。
月経中に起こるおなかの痛み・腰痛・疲労感などのからだの症状や、イライラ・抑うつなどのこころの症状が、日常生活に影響するほど強く出る状態を月経困難症と呼びます。10~20代の若い女性にも多くみられ、15~49歳までの女性のうち、実に7割以上がおなかの痛みやイライラなどの症状に悩まされているという結果も出ています。
普段の生活に影響する生理痛は、月経困難症です。
□痛み止めが効かないことがある
□痛みで仕事や勉強、家事ができないことがある
□痛みがだんだんひどくなってきた
□生理のとき以外にも痛みを感じることがある
その生理痛、病気のサインかも
月経困難症の種類
月経困難症には、機能性と器質性の2種類があります。
♡機能性月経困難症~特に原因となる病気はなく、月経中に子宮内膜から産生される痛み物質プロスタグランジンにより痛みを強く感じます。
♡器質性月経困難症~子宮内膜症・子宮腺筋症・子宮筋腫などの病気が原因となります。
・子宮内膜症:子宮内膜に似た組織が、おなかの臓器を覆っている薄い膜(腹膜)や卵巣など子宮周囲の臓器にできる病気です。病巣にできた組織は増殖と剥離を繰り返し、炎症や癒着を引き起こします。
・子宮腺筋症:本来なら子宮の内側にできる子宮内膜組織が、子宮の壁の部分(子宮筋層)にできる病気です。子宮筋層の中にできた組織が月経のたびに増殖と剥離を繰り返し、病気の進行とともに子宮筋層が厚くなります。月経痛や過多月経、出血持続日数の延長などの症状がみられます。
・子宮筋腫:子宮筋層にできる良性の腫瘍です。筋腫の位置や大きさ、個数によって症状は様々ですが、めまいや立ちくらみなどの貧血症状、経血量の増加、不正出血、月経痛、不妊などの症状がみられます。
月経困難症の治療法
月経困難症の治療には主に薬物療法が使われ、症状や年齢、妊娠の希望などを考慮して選択されます。
♡鎮痛薬・漢方薬:非ステロイド抗炎症薬(アスピリン・イブプロフェンなど)の痛み止めや、当帰芍薬散、加味逍遥散などの漢方薬で症状を和らげます。
♡低用量経口エストロゲン・プロゲスチン配合剤:女性ホルモンを含有するお薬で、排卵や子宮内膜が厚くなることを抑えることによって痛みの物質であるプロスタグランジンなどの過剰な産生を抑え、痛みを軽くする効果があります。
♡子宮内女性ホルモン放出システム(IUS):女性ホルモンを子宮内に放出する子宮内システムで、子宮内膜に作用して内膜が薄くなるので月経量を減らしたり月経痛を軽くする効果があります。
上手なつき合い方
♡バランスのとれた食事:日頃から決まった時間にきちんと食べることは大切ですが、特に症状が出る時期はビタミンとミネラルを多く含む豆類や海藻・野菜をたくさん摂りましょう。控えた方がいいのは、甘いもの・塩分や脂の多いもの・インスタント食品・カフェイン・アルコール類などです。
♡からだを動かす:全身運動は血行を良くし、気分転換にも役立ちます。つらい時期には無理にからだを動かすのではなく、手軽に楽しめる散歩などから始めましょう。当院の“ベリーダンス”は骨盤循環を良くする作用があるのでオススメです。
♡リラクゼーション:つらい時こそ無理しないで自分をいたわってあげましょう。ハーブティーやアロマテラピーなど植物の力でくつろぐのも良い方法です。アロマオイルを数滴入れて入浴すると鎮痛と癒しの効果になります。
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これからも“子宮内膜症”“過多月経”“月経前症候群(PMS)”“更年期障害”など月経と関連した病気を書いていきます よろしくお願い致します